Voice-canceling filter

システムが規定する「ノイズ」と人間が知覚する「ノイズ」は一致しない。人を消し去るノイズキャンセリング・フィルターが登場した未来、どのような風景が目の前には広がっているのだろうか。

 現在、街を歩く人々はイヤホン/ヘッドホンで耳に蓋をしている。そして、我々の視覚・聴覚を始めとした知覚はメディアを介したものへと変貌しようとしている。では、メディアを通した知覚を前提とした、物理的な外部環境から取得する情報をシステムによって自由に抽出・排除することができる世界が訪れた時、人という存在も自由に消し去ることができるようになるだろう。人が暮らすために設計された都市空間から人を自由に消し去った時、そこに残るものは何だろう。SF映画で示された世界が現実的なものとなってきている。

 音の聴取環境を選択的に構築することができるノイズキャンセリング・フィルターは、システムで規定した望まない音を「ノイズ」というラベルを付けて排斥する。ユーザーである我々の知覚は無自覚に変容し、システムの一方的な排除構造に気がつかない。本作品では、都市空間を散策する映像・音に対し、選択的にフィルタリングをかける。鑑賞者の選択によって映像・音が動的に変化し、排除していることを際立たせる。

Credit

Programming, Recording, Cinematography, edit: Makoto Amano

Exhibition

IAMAS OPENHOUSE: 2021

2021.7.22 - 7.23

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